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ホーム目次第3章 熱い岩石の星・地球
火山マグマ鉱物と岩石地震地球内部を探るプレートテクトニクス

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 日本の活火山*1を例に、代表的な火山地形を紹介します。

富士山/成長期の成層火山(円錐火山)
八ヶ岳から見た富士山
 標高、体積、噴出量などズバ抜けて大きい火山で、名実ともに日本一。8万年前から噴火を繰り返して大きく成長した成層火山(円錐火山)。火山としては玄武岩マグマの活動により成長中の比較的若い火山。
(1987年7月、八ヶ岳より)

静岡大学小山真人研究室
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Welcome.html
南西から見た富士山CG
 端正な形にもよく見るといろいろな変化がある。山体は成長と崩壊の繰り返しで、現在も大沢崩れ(図の山頂から左手前へ)などで激しい侵食が進行中。中心の噴火口が印象的だが、側火山も多く、宝永火口(山頂の右側、1707年噴火)や多くの寄生火山(山麓の小丘)がある。
(カシミール3Dによる)
箱根火山/成熟期の火山
北西から見た箱根火山
 富士山とは対照的に、火山としては成熟期にあたる。50万年前から活動し、何回かの激しい噴火(火砕流)やカルデラ形成を経て、成層火山や溶岩ドームからなる中央火口丘ができている。火山岩は安山岩、玄武岩、デイサイトと変化に富む。有史の噴火はない。
(カシミール3Dによる)
伊豆大島・三原山/玄武岩の活火山
1986年噴火・B火口列
 伊豆大島は伊豆・小笠原火山弧を代表する活発な火山島。島全体が火山だが、その中央の三原山は有史にも噴火を繰り返している成層火山で山頂カルデラを持つ。玄武岩。最近では全島避難となった1986年噴火がある。
(1987年2月)

伊豆大島火山観測所
http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/vrc/others/oshimaj.html
山頂カルデラからから見た1986年噴火・B溶岩流
 B火口列から流出した玄武岩溶岩流(アア溶岩)。あたりは一面のスコリアにおおわれ、荒涼とした別世界のよう。
(1987年2月)
上から見たB溶岩流と火口カルデラ
 同じ溶岩流を上から見た様子。遠景はカルデラ外輪山。
(1987年2月)

元町に迫った溶岩流
 溶岩流は島最大の町、元町へ1kmのところまで迫った。写真は溶岩流の先端部。
(1987年2月)
筆石
 大島南東部の海岸には、三原山に先行する古い火山体(筆石火山)が露出している。マグマが地下の割れ目に押し入って固まった岩石をダイク(岩脈)という。火山地下のマグマだまりからは多数の岩脈がのび、一部は地表につながる(火道)。しばしば岩脈だけが侵食に耐え、写真のような岩塔になる。
(1987年2月)
地層大切断面
 三原山南西山麓の車道沿いにある好露頭。火山噴火のたびに火山灰や軽石が堆積していった様子が、過去2万年間(100回)分にわたり観察できる。
 写真中央には地層が斜めに切られた上に、新しい地層が堆積する不整合が見える(ただし、この不整合はごく小規模なもので、長い時間間隙に相当する本来の不整合ではない)。
なおこの露頭は地層「大切」断面とする説も(?)。
(1987年2月)
浅間山/安山岩の活火山
南(軽井沢)から見た浅間山
 有史にも何度か激しい噴火をした危険な活火山の一つ。主に安山岩の成層火山。天明の噴火(1783年)は大きな災害となった。
(2000年3月)
浅間火山観測所
http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/vrc/others/asamaj.html 
阿蘇山/巨大カルデラと中央火口丘
南西から見た阿蘇カルデラ
 九州と北海道にはカルデラ火山が多い。阿蘇山はその代表で、巨大カルデラが雄大な景観をつくる。阿蘇カルデラは27万〜9万年前の4回の激しい流紋岩マグマの噴火によりできた。この時の火砕流は九州ほぼ全土を埋め尽くすほどのすさまじさ。その後にできた中央火口丘はマグマも火山地形も変化に富む。
(カシミール3Dによる)
中央火口丘・中岳火口(第1火口)
 中央火口丘の最高峰・高岳(1592m)の西にある中岳火口は現在も活動中。有史の噴火はこの火口によるもの。ロープウェイで行ける火口縁は観光地として有名。第1火口はしばしば噴火をするが、ここ数年は静穏で湯だまり(火口湖)になっている。
(2002年10月)
中央火口丘・中岳火口(第4火口)
 火口壁には火山噴出物が繰り返し堆積して成層している様子が見える。左手前に見える明るい層は厚い溶岩流に見えるが、高温の火山弾が再接着してできたアグルチネート。
(2002年10月)
草千里
 雄大な阿蘇の景観を代表する草千里。中央火口丘の一部。2万7000年前にできた草千里ヶ浜火山の火口跡。
(2000年5月)
米塚
 中央火口丘の西麓にある噴石丘(スコリア丘)。噴出したスコリアが堆積してできたもので、その形がよく残っている。火山は同じ噴火口から繰り返して噴火するもの(複成火山)が多いが、米塚のような噴石丘(スコリア丘)は1回の噴火による単成火山。
雲仙岳/火砕流と土石流
水無川畔から見た雲仙普賢岳
 雲仙火山は普賢岳をはじめいくつかの火山からなる。安山岩〜デイサイトの成層火山。写真左は1990〜95年噴火で山頂部に溶岩ドーム(平成新山)が出現した普賢岳。手前の白い山肌は死者を出した火砕流堆積物がおおっているところ。写真右の眉山は1792年に噴火(爆発)し、岩なだれが有明海に達し、死者1万5千人という有史日本最大の火山災害を引き起こし、「島原大変・肥後迷惑」と呼ばれる。
(2002年10月)
1991年1月の普賢岳
 山頂から小さな白煙が上がり始めた。この後、山頂部に溶岩ドームが大きく成長する。上の写真と比べると、山の形が全く異なってしまったことが分かる。
(学習パンフ・雲仙普賢岳の今・島原半島観光復興対策協議会より)

雲仙岳被災記念館
http://www.udmh.or.jp/
1991年5月30日の火砕流
 普賢岳の噴火は火砕流の脅威を日本人に見せつけた。火砕流は高温の火山砕屑物(火山灰や軽石)と火山ガスが、山腹を流れ下ってくるもの。高温、高速で非常に危険。ただし普賢岳の火砕流は本格的な「大火砕流」ではなく、溶岩ドーム崩落が誘発した小規模なもの。同年のフィリピン・ピナツボ火山は本格的な火砕流を噴出した。
(学習パンフ・雲仙普賢岳の今・島原半島観光復興対策協議会より)

土石流
 噴火により堆積した火山噴出物が降雨により泥流となって流れてくるもの。泥流は運搬力が大きく、大きな岩塊を巻き込み、大きな災害となる。
(学習パンフ・雲仙普賢岳の今・島原半島観光復興対策協議会より)
水無本陣の土石流被災家屋
 土石流で半分埋まった家屋を被災記録として保存しているもの。
(2000年10月)
磐梯山/山体破裂した火山
北から見た磐梯山
 安山岩の成層火山。北面の馬蹄形地形は1888年の水蒸気爆発による山体破裂(岩なだれ)によりできた。手前の桧原湖はその時の岩屑が水をせき止めてできた多くの湖沼の一つ。
(1987年5月)
磐梯山中腹(中ノ湯)より北を見下ろす
 左写真とは逆に、山上から見下ろした様子。銅沼(手前)や桧原湖(遠方)を作った岩なだれの凸凹した地形が見える。
(1987年5月)
草津白根山/安山岩の活火山
本白根山
 安山岩の成層火山。本白根火口(手前)と本白根溶岩ドーム(中央)。
(2002年7月)
湯釜
 草津白根火山はしばしば水蒸気爆発を起こし、火山ガスの放出も盛んな活火山。湯釜は火口に雨水がたまったもの。異様な青緑色を呈し、強酸性(ph=1.1)。近くの草津温泉や万座温泉も酸性が強い温泉として知られる。
(2002年7月)
日光白根山/溶岩ドーム
山頂の溶岩ドーム
 日光白根山は有史の噴火はあるが、ここ100年以上静穏のまま。山頂部は大きな安山岩の溶岩ドーム。
(1988年10月)
八ヶ岳/侵食された火山
諏訪から見た南八ヶ岳
 左から硫黄岳、横岳、赤岳(最高峰)、権現岳など登山者にはおなじみの八ヶ岳は、巨大な火山が侵食され鋭い岩峰になったもの。100万年前から活動した玄武岩〜安山岩の大きな成層火山。
赤岳付近から北望
 手前から横岳、硫黄岳、北八ヶ岳、北端の蓼科山(左奥)。切り立った岩壁には成層した火山噴出物や岩脈など、火山体内部が見える。

【*1】 活火山・・・ここ2000年間に噴火活動をしたことのある火山。日本列島(北方領土含む)には86あり、世界の1割にあたる。「2000年」という数字は便宜的なもの。活火山でなくても噴火する可能性はある。昔よく使われた「死火山」「休火山」なる語は、誤解を招くので使われなくなった。これは好ましい。


関連サイト

日本火山学会
http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/kazan/jishome/VSJ1.html
★一般への普及に力を入れたサイト。名物コーナー「火山学者に聞いてみよう」もあり「学会」がここまでやるのは珍しいのでは・・・。
静岡大学小山真人研究室
http://sk01.ed.shizuoka.ac.jp/koyama/public_html/Welcome.html
★富士山の詳しい資料を中心に、火山に関する充実したサイト。伊豆大島もあり。
火山センター・伊豆大島火山観測所
http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/vrc/others/oshimaj.html
火山センター・浅間火山観測所
http://hakone.eri.u-tokyo.ac.jp/vrc/others/asamaj.html 
群馬大学・早川由紀夫研究室
http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/Welcome.htm
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★フィールド火山学講座や各火山解説など非常に充実したサイト
気象庁・火山の解説資料のページ
http://www.seisvol.kishou.go.jp/tokyo/volcano.html
★最新火山情報や日本の各火山のデータなど日本の全火山を網羅。
雲仙岳被災記念館
http://www.udmh.or.jp/

 

作成2002年10月