[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

ホーム目次/第2章 水と大気の星・地球
海水と陸水海の世界海水の動き地球の大気大気の対流水蒸気と雲/天気図/大気の大循環


大気は何からできているか

 風船に水素ガスを入れるとフワッーと浮かび上がります。これを見て「水素を入れて風船が軽くなったため」と考える人がいるかも知れません。水素ガスもH分子の集まりである以上、相応の重さ(質量)を持っているので、水素ガスを入れた分だけ風船は重くなっています。重くなった風船が浮かび上がるのは、より重い周囲の空気の中にあるために体積の増加に応じた浮力をうけるからです。気体は目に見えないし重さも感じられないので、感覚的につかまえにくいものの代表です。逆に気体をきちんとつかむことが、理科の学習のポイントになります。
 どんな物質も小さな粒(原子分子)からできています。したがってどんな物質も原子の種類に応じた重さ(質量)を持ちます。原子は物質をつくる基本的な粒子で、約100種が知られており、元素記号で表します。それぞれの原子の質量(原子1モルが何gになるか)を原子量と呼びます。
 原子がいくつか集まってかたまりを作るときがあります。これが分子です。例えば2個の水素原子と1個の酸素原子が集まると、1個の水分子HOになります。水分子が集まったものが水です。分子の質量(分子1モルが何gになるか)を分子量と呼びます。

図1 大気をつくる分子たち(発泡スチロール製分子模型)
 原子、分子、分子量などの基礎概念がこの模型によく現れています。このイメージをしっかり頭に入れてください。
 たいていの気体分子は非金属元素(周期表右上側の元素)数個が共有結合で結びあってできています。ただしアルゴン(希ガス)は他の原子と結合しないため、原子1個がそのまま分子1個(単原子分子)となります。カッコ内の数字は分子量です。

 地球をとりまく気体、空気を大気と呼びます。大気の組成は次のようです。

成分 体積%
窒素N 78%
酸素O 21%
アルゴンAr 1%
二酸化炭素CO 0.036%
(現在増加中)
水蒸気HO 不定

地球大気はよくかき混ぜられているので、その組成は高度80kmくらいまでは一定です。ただし水蒸気は時間と場所により異なるので、組成からははぶいて考えられます。二酸化炭素は、人間による化石燃料の燃焼により、現在増加中です。

実習 発泡スチロール球で作る大気分子の模型

実習 いろいろな気体のシャボン玉

大気の重み−気圧
 気体の分子は、飛び回っているので気体の中にあるものにぶつかります。気体の中にあるものにすれば、おびただしい数の気体分子が絶え間なくぶつかってくることによる圧力を受けるわけです。圧力とは単位面積(1cm)あたりのうける力です。一般に液体や気体の分子は動き回っているので、液体や気体の中にいるものは必ず圧力をうけます。私たち地表にあるものは大気の中にいるわけですから、必ず大気から圧力をうけます。大気の圧力を大気圧(あるいは気圧)と呼びます。
 始めに水から受ける圧力(水圧)について考えましょう。深い海に潜っていくと、次第に大きな水圧をうけます。海の底まで行くと、自分より上にある海の深さ全ての分の水の重みを水圧としてうけます。水圧は、いわば単位面積あたりの重みの力です。水圧は水に接するすべての面がうけるので、上からだけでなく前後左右あらゆる方向からの圧力になります。気圧も水圧と同じように考えます。私たちは海の底のかわりに大気の底(地表)にいると考えて下さい。私たちより上にある大気の重みの力が大気圧(気圧)です。その大きさは平均すると 

約1kg重/cm = 1気圧(atm) = 1013hPa

となります。

サブテーマ 水圧と気圧 

実習 見えない気体を「見る」

空はどんなところか
 グラフで高度と気圧や気温の関係を見てみましょう。海底から上昇するにつれ水圧が小さくなるのと同じように、高いところほど気圧は小さく(低く)なります。地球の気圧は高度が5km上がるごとに約半分になります。高度5kmの気圧はおよそ0.5気圧(atm)です。
 これに対し気温の変化は複雑です。上るにつれ、気温は下がったり上がったりしています。そこで、この気温の変化が極大になる高さにより大気圏を4つに分けます。


図2 大気圏の垂直構造

  区分 高度 特徴
  外気圏 500km以上 大気圏外だが、地球の磁場が拡がっている。
大気圏 熱圏(電離圏) 80km〜500km 私たちには真空の宇宙同然で、昼でも真っ暗な空が広がるが、非常に希薄な大気がある。スペースシャトルが飛ぶのもここ。気温は非常に高いが、大気の持っている熱エネルギーは小さいのでシャトルが融けたりはしない。 電離した窒素や酸素からなる電離層が何層かある。流星が出現。高緯度ではオーロラが出現。
中間圏 50km〜80km  
成層圏 平均12km〜50km 成層圏下部で空の色は濃紺色になり、大気は大分希薄になる。オゾンOが太陽からの紫外線を吸収して発熱するので、上空ほど高温。そのため大気は安定している。
対流圏 地表〜平均12km 濃い(密度の大きい)大気。地表(下)から温められるので大気は不安定で対流が起こる。雲の発生や降雨降雪などの気象現象が起きる。ジェット旅客機は対流圏の最上部を飛ぶため、その上はいつも晴れている。

 大気圏の厚さは非常に薄いものです。特に私たちのイメージする大気らしい大気、濃い気体があり青空が拡がっている世界(対流圏)はわずか10数kmです。地球の大きさ(一周4万km)に比べれば、空はずいぶんと「狭い世界」なのです。

写真1 成層圏
 ジェット旅客機の窓から見た空。すぐ頭上には、成層圏の紺碧の空が広がる。
成田−福岡便、2000年5月

実習 高度と気圧、気温を調べる

サブテーマ 空をしらべる 

アルバム カナダのオーロラ


FAQ.1 原子と元素はどう違うのですか?
 厳密には異なりますが、ほぼ同じものだと思ってOKです。粒子としての実体を指すときには原子、物質の構成最小単位を抽象的に指すときには元素と言います。

FAQ.2 原子と分子はどう違うのですか?
 原子が集まってできたのが分子です。原子は個人、分子はグループのようなものです。

FAQ.3 重さと質量はどう違うのですか?
 両者は異なりますが、地球上のみで考える場合は同じになります。
 重さ(重量)=物体が地球などからうける重力の大きさ
 質量=物質の量そのもの。
 日常では両方の意味を区別せず、漠然と重さと言っています。

FAQ.4 なぜ圧力の単位はたくさんあるのですか?
 本来単位は一つで良いはずですが
 物理の授業→ kg重/cm2
 化学 → 気圧、atm
 地学(気象) → hPa
・・・と分野により一番なじんだ使いやすい単位が登場しています。


作成2001年7月 最終更新2003年7月