ホーム目次/第2章 水と大気の星・地球
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陸水の組成
 氷河、地下水、湖沼や河川の水など陸上の水を陸水と言います。最近はおいしい水、安全な水を求めて、水道水ではなくミネラルウォーターを買い求める人が多くなりました。ミネラルウォーター(鉱水、鉱泉水)は地下水が湧き出た泉や、地下水そのものを採取したものあり、陸水を代表すると考えて良いでしょう。そこでミネラルウォーターのラベルを見てみると、いろいろなイオン(Na2+、CA2+、Mg2+、K、Cl、SO2−など)が溶け込んでいることが分かります。これらのイオンは岩石(鉱物ミネラル)から溶け出してきたものです。

図1 いろいろなミネラルウォーターの比較
 ラベルに表示されている陽イオン含有量。典型的なヨーロッパの水(エビアン)と日本の水(南アルプス)を比べると、ヨーロッパの水は5〜10倍の陽イオンを含む。特にカルシウム量の違いが大きい。
図2 海水とミネラルウォーター(エビアン)の比較
海水はミネラルウォーターの100〜1000倍の陽イオンを含む。特にナトリウムが圧倒的に多い。

実習 ミネラルウォーターのラベルを調べる

海水の組成
 次に海水を見てみます。海水にも塩化ナトリウムをはじめ陸水と似たような成分が溶けています。塩分濃度は約3.5%(質量パーセント濃度)です。

塩(海水中ではイオンとして存在) 質量%
塩化ナトリウム NaCl 2.35
塩化マグネシウム MgCl 0.50
硫酸ナトリウム Na2SO 0.39
塩化カルシウム CaCl 0.11
塩化カリウム KCl 0.07
合計 3.45

実習 海水を蒸発乾固して塩分濃度を計る

 陸水は海水に比べると、溶けている成分は似ていますが、その濃度は1/100から1/1000と、はるかに希薄です。ですから陸水を煮詰めてうんと濃縮すれば海水に近いものになります。海洋に陸水(河川水)が流れ込み、水だけが再び蒸発して循環しています。これは化学で言う蒸留と同じです。海水の塩分はこのように陸水からもたらされた成分が濃縮されたもの考えられます。海水がしょっぱいのは、実はこうしたしくみによっていたのです。*1
 ただし図1・2をよく見ると、海水には陸水と比べてはカルシウムが少ないという特徴があります。これはサンゴなどの生物が自身の骨格(炭酸カルシウムCaCO)をつくるために、海水中のカルシウムと二酸化炭素を消費してしまったからだと考えられます。このようなサンゴの遺骸は、海底に地層として堆積し、石灰岩(大理石)になっています。

塩を溶かす水
 以上のように、陸水にも海水にも「」が溶け込んでいました。塩は陽イオンと陰イオンからなるイオン結晶であり、その代表が塩化ナトリウムNaCl(食塩)です。イオン結晶は静電気力で強く結合しているため、バラバラになりづらく、溶媒に溶けにくい性質があります。ただし水分子は正負の静電気を帯びていて(極性分子)イオンとなじみやすい(水和)ので、水は例外的に塩を溶かしやすいという性質があります。そこで地球の水にもいろいろな塩が溶けているのです。
 
実習 塩の溶解 (イオン結晶と水和)


【*1】 海水の塩分濃度は徐々に増えてきたのではない模様です。地球史のかなり初期のうちに濃い塩分濃度になったようです。また海底火山(大洋中央海嶺の熱水噴出)により直接海水へもたらされる塩分量もかなりあることが分かってきました。

FAQ.1 岩塩とは何ですか?
 塩湖が蒸発して干上がると塩が残ります。岩塩と呼ばれる塩の地層はこのようにしてできたものです。岩塩層は地下で変形しやすく、その下にしばしば石油がたまります。


作成2001年7月 最終更新2003年7月


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