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サブテーマ(解説) 地層と堆積岩

第T章 身近な土地の生い立ち・砕屑物に戻る  地層に戻る
第W章 地球と生命の歴史に戻る

 砕屑物(泥・砂・レキ)、生物の遺骸、火山砕屑物(火山灰など)が、たくさんの板を積み重ねたように層をなして堆積したものを地層と言います。一枚の地層はあるひとまとまりの時代を表すと考えられます。そこで地層を調べてゆくと当時の様子を復元することができます。特に地層に化石が含まれていれば、時代や環境を特定する大きな材料になります。これが地質学者が地球の歴史(地史)を調べる基本的・古典的な方法です。*1 

 地層から地史を復元するときの基本的な前提は次のようなものです。
1)地層は下から上へ堆積する→上の地層ほど新しい=地層累重の法則
2)地層は水平に堆積する→斜めに傾いたり、折れ曲がったり(褶曲)、断ち切られているのは後に被った変化である

以上のような点を踏まえて下図を見ると、地層形成の順序や出来事が再現できることが分かると思います。

図1

1)地層Aの堆積
2)Aは傾き褶曲し、a−a’で断ち切られる
3)地層Bの堆積
4)b−b’で断ち切られる
5)地層Cの堆積

a−a’、b−b’のような地層を断ち切る線(面)には次の3通りが考えられます。
(1)侵食によって削り取られた
(2)断層(地層がズレて動くこと)による
(3)貫入したマグマ(火成岩)による。
いずれも考え方は同じで、「断ち切られた−断ち切った」の関係から順序を推定します。
 
 ここでa−a’、b−b’は(1)の侵食によるとします。すると地層A、Bは海底(水底)で堆積した後、陸化して侵食をうけ、再び海底(水底)に沈んで次の地層が堆積したことになります。つまりa−a’、b−b’ができる前後にはかなりの時間間隙があることが読み取れます。このように2つの地層が中断をはさんで堆積している関係を「不整合」と言います。特にa−a’では、地層Aが傾き褶曲するなど大きな地殻変動を被っていることから、中断も大規模であったことが推定されます。

 多くの地層は海底に堆積したものです。大陸縁辺の海底(大陸棚)には河川が運搬してきた大量の砕屑物が分厚く堆積しています。また日本列島太平洋側(島弧大洋側)のようなところには、しばしば大きな盆地形ができ、堆積物を受けとめる器の役目を果たします(前弧海盆)。そのさらに外側(海溝側)では、陸からももたらされた堆積物と沈み込む海洋プレート物質が混合して付加体と呼ばれる地質体を作りつつあります。日本列島自身がこのような付加体からできています。
アルバム 地層を見る

 地層をつくる物質=堆積岩と考えてよいでしょう。ただ、比較的新しい地層では、堆積物の固結(続成作用)が進んでいないので、「堆積岩」とは言えない場合もあります。 

堆積岩の分類
分類 堆積岩 材料 備考
砕屑岩 ★レキ岩 砕屑物 レキ (2mm〜  ) 砕屑物(岩くず)の大きさにより単純に分類する。
さらに構成粒子の種類で分類するときもある。
★砂岩 砂 (1/16〜2mm)
★泥岩 ☆シルト岩 シルト (1/256〜1/16mm)
☆粘土岩 粘土 ( 〜1/256mm)
火砕岩 ☆火山角レキ岩 火山レキなど 粒子の種類や形、成因の違いにより分類は複雑
海底火山、陸上の火山体、空からの降下堆積物などさまざま
★凝灰岩 火山灰や軽石
生物岩 ★石灰岩 CaCO(サンゴの骨格など) 化学的沈殿物の場合もある
★チャート SiO(放散虫の遺骸)
蒸発岩 ☆岩塩 塩湖の蒸発残留 日本にはない

写真1 砂岩(北海道日高帯の中生代白亜紀砂岩)
 下部は粗粒。中部、上部では砂と泥の割合により縞模様が見える。縞模様には微細な堆積構造が見られる。 
写真2 写真1砂岩の顕微鏡写真
 石英粒、長石粒が主。左方にはジルコンの粒が見える。

【*1】 地層の走行・傾斜調査(ルートマップ)→柱状図→地質図・断面図といった地質調査法は、高校地学で比較的大きく扱われています。それも履修者の多い地学Tで登場し、入試でも取り上げられます。確かに地質調査の古典・基本ですが、筆者は違和感を感じます。
1)他の重要テーマが削られている(ビッグバンや進化などの大物テーマさえ・・・)中で取り上げるほどのものか疑問
2)幾何学的作図が可能な整然とした地層は日本では新しい時代(新第三紀以降)のみで、必ずしも一般的とは言えない
3)地質調査を将来行う者は極少数
などがその理由です。不整合、褶曲、向斜背斜、断層などの地質構造と合わせて扱うとしても、地学U(履修者は極少数だが)で十分ではないでしょうか・・・


とは言うものの大学入試でもよく出題されますので、ぬかりなく・・・


作成2001年2月 更新2003年5月